2013年9月29日日曜日

自律的な学術公正性の確保に向けて

以前に記事「Academic Integrity と Research Integrity」を書きました。"Academic Integrity" は「学術における誠実さ」ということですが、これを「学術公正性」と呼ぶのはどうでしょうか。"Research Integrity" を「研究公正性」と呼ぶことに対応するものです。繰り返すことになるかも知れませんが、学術公正性について考えてみました。学術界で学術公正性を保証するためには、どのような仕組みが考えられるでしょうか。

2013年9月28日土曜日

文科省の「研究不正に向けた取組」について(追記)

文科省の研究不正の取組については、一月ほど前に「文科省の『研究不正に向けた取組』について」として意見を述べましたが、9月26日に文科省から「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」の中間とりまとめが公表されました。そこには、「国による監視と支援」として「『研究公正局(仮称)』のような第三者監視組織の設置などは今後に向けた大きな課題である」と書かれています。以前の記事にも書きましたが、(研究不正だけではなく)学術界の不正に対処する自律的な活動を促し、不正に関して審理裁定を行う機関が必要だと考えていますが、「監視」ということには違和感があります。

2013年9月8日日曜日

Academic Integrity とResearch Integrity

これまでに、「学術『公正局』」ということでいくつかの記事を掲載しました。最近の話題が「研究不正」への対応に向いていることから、また、生命科学分野の議論が活発で、米国のORI(The Office of Research Integrity)が参照されて、「公正局」という表現が使われていたことから、その名称を借りました。しかし、わが国で実効的な組織を考えるときに、米国ORIの機能でよいのかどうか検討が必要だという指摘もあります。このなかで、研究不正だけではなく、経歴詐称や業績誇称など学術上の不正を対象とする組織を「学術『公正局』」と表しました。

2013年9月1日日曜日

文科省の「研究不正に向けた取組」について

8月29日に公表された文部科学省の平成26年度概算要求の資料(のp.41から始まるp.50)に「研究不正に向けた取組」の要求が示されています。そこには、「考え方」として、「研究不正の防止に向けて、副大臣を座長とした『研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース』を設置し、これまでの不正事案に対する対応の総括を行うとともに、今後講じるべき具体的な対応策について検討。また、平成26年度概算要求に、研究倫理教育プログラムの開発や普及促進等に係る経費・体制強化を盛り込む。その際、日本学術会議とも連携しながら取組を推進」とあります。